今回は上越線支線の通勤定期券を紹介します。
まずは上越線支線について説明します。
上越線支線は越後湯沢からガーラ湯沢、営業キロは1.8㎞の複線で駅数は越後湯沢を除いた1駅のみです。(国土交通省鉄道局監修 鉄道要覧より)
書類上は在来線の線路と取り扱われていますが、営業は新幹線の車両のみで冬季のみ(GALA湯沢スキー場営業期間のみ)の運転となっています。2020年は05/06までの営業を予定していましたが、記録的な雪不足のため04/12で営業終了となり04/13から05/06まで同区間を走る新幹線は同区間のみ運休となりました。(JR東日本HPより)

このような特殊な運転形態をとる区間の定期券もやはり特殊です。
昨年(2019年)12月に訪れた際に、当日は時間が無く買えるかどうか確認したところ「間に合わないので申込書に書いておいてくれれば今度来た時にお渡しする」という回答を得たため、2020年3月に改めて購入しに行きました。その時出てきた定期券がこちらです。
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新人さんと指導役の係員さんの二人がかりで作成して頂きました。3/14から一ヵ月有効の通勤定期券です。有効期間は4/13まで、さきほど記述した通りこの区間は4/13から運休となるので最後の1日のみ使用ができないものです。

日付が記入されているところ全てが和暦になっていますが、これは見本(越後湯沢駅が独自に作ったと思われる)にそのように書いてあったためです。なお旅客営業規則第183条の2項に“(前略)元号表示のものを西暦表示に、西暦表示のものを元号表示とすることがある。„と記載されており規則上は何ら問題はありません。
発売額の8,460円の算出根拠ですが、営業キロ1.8kmの幹線の定期旅客運賃は4,620円となるはずです。差額の3,840円が特定特急料金となるのだろうと思い、念のためJRに確認したところ“通勤1ヶ月は8,460円といった一つのパッケージ„となっているようです。
この一つのパッケージとして発売できる根拠は通達で規定されており、規則や基準規程には記載されていないとのことです。

ここからは直接関係のない話ですので読み飛ばしていただいてもかまいません。
この補充定期券の券番“№0170„の表記ですが以前紹介した補充定期券と比較すると向きが違うことが分かります。見た目は越後湯沢駅で購入したものの方が古いように感じられます。また発行駅も新潟駅から越後湯沢駅に訂正されているのでかなり古いものと推測できます。

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